特攻のドク

<在宅終末期患者>苦痛緩和のため「医師の車」を緊急車両に
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090113-00000006-mai-soci

在宅の終末期医療を国が推し進めるのは、基本的には言うまでもなく医療費削減のため。コストを減らせばクオリティ・アクセスは犠牲になるという訳で、入院のような手厚い看護、呼べば直ちに対処してもらえるという利便性を期待しにくくなるのは当然の話。医者の車を特攻隊よろしく緊急車両に仕立て上げて、使えるだけ使い倒して対処するかのような方法論はちょっと違うんじゃないか。「医師側の負担軽減も課題だった」からというのも意味不明。医師の車を緊急車両化することで、普通に考えて医師の負担は増えそうなものだが。
また「在宅医療を受ける終末期患者の苦痛を和らげるため」というのが主目的なのもどうかと思う。基本的には、逼迫した緊急性がないから在宅となるわけで。「在宅終末期」とはすなわち「おみとり」であり、苦痛を和らげるための方策というものはあらかじめある程度準備しておけば対処可能な部分が大きいのではないかとも思うし。…もちろんそういうニーズも否定しないが、終末期と緊急車両化を結びつけるのはどちょっと違和感がある。

とりあえずこの件、医師に終末期医療の実績があることが要件だそうなので、終末期医療もかじってうちの車に赤灯つけてみようかな。