安心して産める社会に

さて4か月以上も放置経過観察してたこのブログですが、久しぶりにエントリを上げてみますよ、と。
例の東京の妊婦死亡のニュースから。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20081027-00000195-jij-soci
以下、抜粋引用。

 搬送要請で、医師は頭痛が尋常でない状況を伝えていたといい、「伝わらないはずがないと思うが、誰も責める気はない」と夫。最初に断った同病院の当直医について「傷ついて辞めるようなことになったら意味がない。絶対辞めないでほしい」と話した。
 さらに脳死状態で3日間を過ごした妻が亡くなる日、保育器に入ったままの赤ちゃんを連れてきて妻の腕に抱かせてくれて、親子水入らずの短い時を過ごしたエピソードを披露。「墨東病院の医師も看護師も本当に良くしてくれた。彼らが傷つかないようにしてほしい」とした。
 夫は、医師不足や搬送システムなど浮き彫りになった問題について「のど元過ぎれば忘れるのではなく、具体的な目標を持って改善に向かってほしい。何かが変われば『これを変えたのはおまえのお母さんだよ』と子供に言ってあげたい」と話した。

奥さんを喪っていながら、なかなか言える言葉ではないと思う。深く哀悼の意を表すると共に、このご主人に敬意を払いたいと思う。…医療において不幸な転帰をたどった場合、遺族の方々はもちろんのことなのだが医療従事者も精神的なダメージを受ける。自ら悲しみの最中にありながら、そこにも目を向けることのできる思いやり、視野の広さは、悲しくも素晴らしい。

…すぐ搬送先が決まっていたとしても救命は困難だった可能性が高いとは思われるものの、この件がニュースとして報じられたことで日本の医療が危機的状況にあることは少なからぬショックと共に全国的に明らかになったのではないだろうか。結局のところ医療に費やすコスト・マンパワーの不足、モンスターペイシェントなどと評されるクレーマー、できる限りの処置をしても敗訴したり難癖としか思えないトンデモ訴訟、そして無責任に現場を責め立てるマスコミなどが複合的に医療の崩壊を招いてきたのではあるが。
少しでも日本の医療がよい方向に向かうことを願ってやまない。