タダでできる医療崩壊対策

今回はある新聞記事を紹介したい。
丹波「未来」新聞という地方紙から。
http://tanba.jp/modules/bulletin6/article.php?storyid=252

小児科守る会 医師への感謝を形に
 ちょっとしたけがや病気で昼夜を問わず病院で受診する「コンビニ受診」を控え、医師の負担を減らすことで地域医療を守ろうと活動する県立柏原病院の小児科を守る会 (丹生裕子代表)が8月29日、 医師への感謝の気持ちを目に見える形で表そうと、「ありがとう」のメッセージを寄せ書きにし、同病院に持参した。 同会は近く、同病院の許可を得て小児科の待合に 「ありがとうポスト」を設置する。「感謝の輪」が広がることに期待している。(足立智和)
 会のマスコットキャラクターを入れたB5判のオリジナル便せんに、メンバー7人が手紙をしたため、模造紙(70センチ×120センチ)にはり、折り紙やイラストでにぎやかにかざった。
  「(医師に)何か恩返しをと活動をしています」「先生方の頑張りを思うとこちらが励まされます」「近くに先生がいらっしゃること、それ自体が『安心』ということなのだと強く感じました」などと、思いを寄せている。
 3児の母の古林麻子さん(氷上町上成松)は、「病気やけがが治ったら、『ああ良かった』と思うけれど、すぐに忘れ、具合が悪くなった時に改めてありがたさに気づく。『どれだけ助かった のか』を伝えることがなかったので、良い機会になりました」と話していた。
 寄せ書きは、小児科の待合に掲示されている。ありがとうポストに投函されたもので、本人が掲示を希望するものは、随時掲示していく。酒井國安院長(小児科医)は、「ありがたく、うれしいこと。励みになる」と、満面の笑みを浮かべていた。
 同病院小児科の常勤医は、昨年4月から1人減り2人。今年4月の酒井氏の院長就任に伴う後任常勤医の補充はなく、非常勤医の支援で診察を続けている。医師不足により、外来は予約制になっているが、入院は、これまでどおり受け入れている。

何も、ふんぞり返った状態でいさせろというのではない。感謝の心を持ってもらえるという、簡単なこと。
医療を取り巻く諸問題はコスト・マンパワー不足に始まり、不当逮捕やトンデモ訴訟などなど多岐にわたる。しかし医師の”心が折られた”ということも、問題の根本。
非人道的な過労には耐えられていても、心無いバッシングがダメ押しのようにのしかかるのでは心が持たない。もちろんマンパワーなどの問題を解決するのも医療を立て直すのには不可欠だが、実はタダでできる対策も極めて効果的、なのかもしれない。