日本の医療を、あきらめない。

最近は厭世観あふれるエントリが続く当ブログだが、某所をみて柄にもなくちょっと真面目に手紙を書いてみた。乱文乱筆を臆面もなく晒すのは、少々気が引けるのだが。あ、「臆面もなく〜気が引ける」って自己矛盾な表現だね。
突っ込みどころはまだあったが、疲れたのでこの程度で。



はじめまして。

○○で医師をしております○○と申します。
このたび貴ホームページ(ブログ)を拝見し、内容にいささかの事実誤認・偏見などが見受けるように感じられましたのでメールする次第です。

具体的には、安全を重視するが故の帝王切開なども「医師の勤務体系にあわせて出産時間を無理矢理コントロール」と断じられ、不要な帝王切開を推し進めているかのような御主張のようです。
http://blog.goo.ne.jp/hatatomoko1966826/e/5ef4cb3a06732706026bed3ac659df2f
http://blog.goo.ne.jp/hatatomoko1966826/e/31b296148c33fc6d318be1954fab602d

以下の参考ページをご覧頂ければ、いかにこの主張に根拠がなく実情からかけ離れたものであるかご理解頂けると思います。
http://blog.m3.com/OB_Gyne/20070517/1


また、医療機関でのお産を「無機質」と断じ、「『院内助産所』と『開業助産院』とが出産のメインステージにとって代わった社会に、育児ノイローゼやネグレクト、虐待などの言葉は無縁であるはずだ」との主張は、誇りを持って働いている我々医療従事者を大いに侮辱し傷つけ、現場の意欲を削ぐものであります。

ブログ等をはじめとする医師の主張は、私の知る限りにおいては私利私欲や自己弁護を目的としたものは皆無といってよいものです。以下で挙げる「2ch」での反応なども、確かに言葉遣いは汚いですが、その発言は「患者の安全」を何より重んずる、医師としての良心・誇りからくるものであることをご理解頂きたいと思います。
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1181181258/621-
http://society6.2ch.net/test/read.cgi/hosp/1182045281/164-


参議院選が間近に迫っておりますが、少なくとも貴ブログにおける現状の主張は医師の支持を得られるものではありません。
すでに上記2chをはじめ、有力ブログを含めたあちこちのブログでも、この件についての批判がはじまっております。
http://ameblo.jp/med/entry-10037169687.html


去る2月の衆院予算委員会における貴党の枝野議員の、柳沢厚労相と首相を相手にした質疑応答には大変感服致しました。また山井議員など、その他にも医療問題に造詣が深く真摯に取り組まれている方がおられることは承知しております。その期待が大きかっただけに、貴サイトを拝見するにつけ大変落胆したと申し上げざるを得ません。
私個人と致しましても今回は貴党の躍進を願い、ブログなどを用いて周囲にもそう啓蒙してきたつもりですが、その信念も揺らぎ始めております。

世間では年金問題などが取り沙汰されることが多いようですが、現在の与党による苛烈な医療費削減策、医師不足を主な原因とする医療崩壊に危機感を抱く者の中では、今回の選挙においては医療政策を重視するというものが少なくありません。

インターネットの影響力をくれぐれも軽視せず、迅速かつ真摯な対応を望みます。
それでは。