厚遇

読売新聞のニュースから。
拠点病院から医師派遣、地方での不足解消…政府・与党方針
 政府・与党は9日、地方の医師不足を解消するため、医師が集まる国公立病院など地域の拠点となっている病院から、半年〜1年程度の期間を区切り、地方の病院・診療所へ医師を派遣する新たな制度を整備する方針を固めた。
 医師派遣の主体を都道府県や病院関係者らで作る「医療対策協議会」とし、復帰後に医師が人事で不利益を受けない仕組みを担保するほか、医師を放出する拠点病院への補助金制度も導入する。厚生労働、文部科学など関係閣僚が参加する政府・与党協議会で来週から詳細な検討に入り、今年度中の制度スタートを目指す。
 医師派遣は従来、大学病院の教授が若手の研修医の人事権を握り、派遣先を決定してきた。だが、2004年度から医師臨床研修制度が義務化されると、若手医師らは上下関係が厳しい大学病院を敬遠して待遇のいい国公立病院などに殺到し、大学病院中心の医師派遣は事実上、崩壊した。
 厚労省によると、2004年に13都道府県を対象に行った調査では、都道府県庁所在地と周辺地域で人口10万人当たりの医師数が3倍以上開いていた。大学病院から地方への医師派遣が途絶え、格差はより深刻化したという。
 政府・与党は医師の偏在・不足に対応するため、医師派遣の主体を、大学病院から、医師の人気が高い拠点病院と都道府県へと移して派遣制度を再構築することにした。
 拠点病院に勤務する医師については、都道府県と病院関係者らによる医療対策協議会が派遣先や期間などを決定する。医師が拠点病院に戻った後、人事面で不利な処遇がされないように保証し、派遣を受け入れやすくする。日進月歩の医療技術に対応するため、派遣期間は長くても1年程度に抑える方向だ。
 また、地方勤務を希望する医師を外部から募集する場合には、所定の地方勤務を終えた医師に対し、同協議会が、高度な医療設備や手術内容など勤務環境の整った拠点病院で研修できるチャンスを与える。
 一方、拠点病院に対しては、国や都道府県から、派遣する医師の人数や期間に応じて補助金を支給し、医師派遣に協力を求める。
 政府・与党は、医師派遣制度に加え、地方に残る医師を増やすための大学医学部定員の「地域枠」拡大など総合的な医師確保策を取りまとめる方針で、必要なら新法制定も検討する。
(2007年5月10日3時11分 読売新聞)

国策による医師不足、医局を崩壊させたツケの払い方、の話ですな。
それにしても、「待遇のいい国公立病院などに殺到」!!国公立病院の待遇がいいとは初めて知った。さすが「医療の読売」!俺たちの決して言えないことを平然と言ってのけるッ!!しびれこそすれ、あこがれませんが。
…大学病院と比べた相対的な話をすれば確かにそうかも知れないが、若手〜中堅医師において待遇・労働条件を考えれば 大学病院<<国公立<<(越えられない壁)<民間病院 ってとこだろう。何せ国公立の看護師も働かないが、大学病院の看護師といえば…。。だもんで要らん雑用も多いし薄給だし、そんな「終わってる」ところと比べられてもなぁ。
しかし大学はまだ学位取得や出世への道という意味では、勤める価値があるかも知れない。さて国公立はどうか?一般的には喜んで勤めるような所じゃないと思うんだけど。

でもって、国公立から僻地へ派遣ですか。医局の崩壊しつつある中、誰も国公立に行かなくなるんでは?いずれ「国公立病院勤務が義務化される」と勝手に予想。
人事面で不利な処遇がされないように保証」ってのも凄い。普通は何らかのアメがないと行きたくないと思うんだけど「僻地勤務してきても、ムチで叩かれることはありませんよ!!」…駄目だこりゃ。