今年のボジョレーは

今年のボジョレーは「過去50年でも素晴らしい出来」だそうだ。
ちなみにhttp://news.ameba.jp/domestic/2009/11/50326.htmlhttp://d.hatena.ne.jp/takerunba/20091120/p2でも取り上げられているが、参考にさせて頂きつつちょっと調べた限り、2001年からの出来は以下の通りらしい。
2001年 「ここ10年で最高」
2002年 「過去10年で最高と言われた01年を上回る出来栄え」「1995年以来の出来」
2003年 「ここ100年間でも屈指の出来」「100年に1度の出来」「近年にない良い出来」
2004年 「香りが強く中々の出来栄え」
      「2004年のボジョレー・ヌーボーは大当たりの年でした。ただし、
      フランスでの収穫量は、平年の半分ほどだったようです。
      2003年ほどではありませんでしたが、2004年も大当たりの年でした」
2005年 「ここ100年間でも屈指の出来」「ここ数年で最高」
2006年 「この2006年の作柄は、なんとあの数百年に一度の2003年に並ぶ
      【非常に良い】との評価が今や巷を駆け巡り、
      さらには、その複雑味は2003年をも凌ぐ!!、とも言われる
      素晴らしいヌーヴォーと出会える可能性が大」
      「昨年同様良い出来栄え」
2007年 「ここ数年のトップ5に入る素晴らしいもの」「柔らかく果実味が豊かで上質な味わい」
2008年 「今年のは昨年よりも 素晴らしい品質のヌーヴォーが見込めそうです」「豊かな果実味と程よい酸味が調和した味」


…100年単位の名作がゴロゴロしているようだが、「過去50年でも素晴らしい出来」という2009年はどうも見劣りしてしまう印象がある。しかし、どれも評価が高いことは分かるが何だかピンとこないので、分かる範囲内で順位をつけてみたいと思う。なおそれ以前の評価を参考として以下に書いておくが、これらまで順位をつけるのは面倒なのでやらない。
1995年「ここ数年で一番出来が良い」
1996年「10年に1度の逸品」
1997年「1976年以来の品質」
1998年「10年に1度の当たり年」
1999年「品質は昨年より良い」
2000年「出来は上々で申し分の無い仕上がり」


2001年から順に考えていくとまず分かるのは、2001年<2002年。また2004年は「2003年ほどではありませんでした」とあるので、2004年<2003年というのは確実だということ。
そして2005年は「ここ数年で最高」だという。「数年」ってそもそも何年ぐらいなんだ。普通に考えて、9年以下であるだろうことは分かるが。…とググってみると、「教えて!goo」に同じような質問があった。
リンク先によると数年とは「2、3か5、6ぐらいの年数」だそうで。4の立場がなく不憫ではあるが、自分の感覚とも近く頷けるものがあり、一般的な解釈としてよいだろう。要するに、「数年」は一般的に2,3年からせいぜい6年以内ってことである。従って、2003年<2005年ということもわかる。
以上から2001年<2002年、2004年<2003年<2005年という関係が成り立ちそう。

そして、2006年の評価を読むと、2003年は「あの数百年に一度の2003年」だそうで、非常に評価が高いことが分かる。しかし上述のとおり、2005年はその2003年をも上回っているのだ。ところが同時に2006年は「昨年同様良い出来栄え」とあるので、2005年=2006年ということもまた言えそう。「数百年に一度」を凌ぐのがゴロゴロしてるなんてどれだけ凄いんだ。ドラゴンボール末期を思わせる、強さのインフレ状態。
ここまでで推測すると、2001年<2002年で、また2004年<2005年<2003年≦2005年=2006年ということになる。

さて2007年であるが、2007年<2008年ということは分かるのだが、この年はなかなか評価が難しい。「ここ数年のトップ5」とあるけれど、「数年」ってのは上述の通り「2、3か5、6ぐらいの年数」である。
ここで評価の話に戻るが、数年を2,3年と解釈していれば「トップ5」という言葉は出てこないと思うので、必然的に5,6年ということになる。…5,6年のうちでトップ5?2002年から2007年の6年間か、2003年から2007年の5年間のうちトップ5ということになる。
だが「5,6年中のトップ5」という表現は、かなり不自然で無理がある。「トップ3」という表現はよく用いられるが、その表現を使わないところをみると少なくともトップ3内にはいないと推測できそう。また、「数年」を多めの6年と解釈しても、2002年の評価は低くないのだ。近年はどうも猛者ぞろいのようであり、それらより優れているのであればそう書けば宣伝文句になるのに敢えて書かないのは何故か?…5年中5位としても、「トップ5」は嘘にはならない。実は婉曲に「2007年はここ5年で最悪ですよ」と言っているのではなかろうか。

とすれば、「今年のは昨年よりも 素晴らしい品質のヌーヴォーが見込めそうです」という謳い文句の2008年の品質も知れたものであろう。というわけで、
2007年<2008年<(越えられない壁)<その他 という関係はほぼ確実といえそう。
2001年・2002年とその他との関係が知りたいところではあるが、どうも調べた限りの条件では判断が難しい。ただ少なくとも2003年や2005,2006年ほどではなさそうである。1997年は「1976年以来の品質」で2001年は「ここ10年で最高」らしいので、1976年<2001年<2002年と言えるようだ。

ここで、調べているとさらにとんでもない記述を見つけた。
ボジョレーヌーヴォー解禁、新旬ワインと食の響宴によると2009年は「過去60年間で素晴らしいヴィンテージと言われている1947年、1949年、1976年、2003年、2005年に並ぶとともに、それらを超えるヴィンテージとして記録されるでしょう」とのこと。…あれ、2005年と並んで最強のはずだった2006年は?また、1976年より優れているとされる2001年、2002年は??明らかにムジュンしています!畜生、誰かが嘘をついているんだ。
ともあれ2009年は「並ぶとともに、それらを超える」だそうで、2005年<2009年ということらしい。「過去50年でも素晴らしい出来」風情のくせに、「あの数百年に一度」の2003年さんやそれを凌ぐ2005,2006年さんより優れているというのだ。

ともあれ、どうやら年を追うごとに品質が上がっていると考えざるを得ないボジョレー・ヌーボー。来年はどうなのだろうか?オラ、ワクワクしてきたぞ!