そ、その動きはトキ・・・!

http://www.asahi.com/life/update/0531/TKY200705300423.html
独立行政法人国立病院機構が昨秋から導入していた「緊急医師派遣制度」、いわゆるドクタープール的なシステムは、理念そのものはともかくとしても絶対的な医師不足の中では有効に機能できないだろうというのは以前のエントリで触れた通り。
いくらちょこまか動かして数が増えたように見せかけたって、都会でも僻地でも足らないものは足らない。
案の定、1年も経たずしてシステムが成り立たず中止に追い込まれた模様。派遣制度が成り立たないことを知るための試金石としては、極めて”即効性”があったような。
はっきり言って、詰みですな。

以下は記事。
昨秋スタートの国立病院間の医師派遣、半年で打ち切りに
 国立病院でも深刻化する医師不足に対処しようと、全国146病院を管轄する独立行政法人国立病院機構が「緊急医師派遣制度」を昨秋導入したものの、半年で中止に追い込まれていたことがわかった。一方、31日に医師確保対策を決める政府・与党は、「即効性のある対策」として、国立病院の医師らを地方の病院に派遣する制度を打ち出す。同機構は「国立病院間でも難しかったことなのに」と困惑している。
政府与党の医師不足対策
 同機構は昨年9月、都市部などの国立病院から地方の国立病院に医師を派遣する制度を導入した。東北などの病院で、医療法で定められる標準医師数に届かずに、病院収入となる診療報酬をカットされかねない恐れが出てきたためだ。
 派遣元となったのは、東京医療センター(東京都)など29病院。派遣医師に1万円の日当を上乗せするなどした。
 だが病院側からは、「医師が担当する患者のケアが途切れる」「チーム医療が維持できなくなる」などと断るケースが続出。それでも、応じた病院から、米沢(山形県)、釜石(岩手県)、八戸(青森県)の3国立病院に派遣された。
 医師数は延べ108人に上った。派遣期間が数日〜2週間と短期にとどまったためだ。それでも派遣元からは「継続困難」との訴えが相次いだ。同機構は、今年3月末に制度自体を打ち切らざるをえなかった。
 政府・与党が描く確保対策は、都道府県の拠点病院が地域の自治体病院などに医師を派遣しても足りない場合に、国立病院機構などがプールした医師らを数カ月〜1年間派遣する。国立病院の医師らを登録して派遣医師をプールする計画。さらに定年退職して間もない医師らも公募して登録してもらう。
 さらに医師への動機付けとして、派遣終了後のポスト確保や留学・研修といった「特典」も検討している。自民党幹部は、6月中にも最初の医師派遣をさせたい考えを示しているが、機構は「国立病院同士の調整すら難しい」としており、必要な医師数を集められるかは不透明だ。